研修内容
2023年度 国内研修「福島県浜通りの現在と未来」2024.3.10
〇しおり
〇主旨
「東日本大震災と原発事故から13年目を迎え、その当時を回顧し、現在を知り、未来に臨んで、広く深く考える」ことを目的として、福島県浜通り(富岡町から南相馬市まで)を訪問した。本企画は2023年度三菱みらい育成財団支援により、理学部で実施中のHiSEP-Miraiプログラムを受講している大学生のほか、その教育目的の波及効果を図るため、本学が実施している主に県内の高校生向けの特別教育プログラムHiGEPSの受講生が参加し、その1日の活動を共有した。公的な施設の見学のほか、復興の一翼を担う企業にも協力を仰ぎ、今後も起こり得る甚大な災害の実情を見るとともに、被災した地域の社会が科学や技術の力を借りてどのように復興しつつあるかを体得しうる機会とした。
「東日本大震災と原発事故から13年目を迎え、その当時を回顧し、現在を知り、未来に臨んで、広く深く考える」ことを目的として、福島県浜通り(富岡町から南相馬市まで)を訪問した。本企画は2023年度三菱みらい育成財団支援により、理学部で実施中のHiSEP-Miraiプログラムを受講している大学生のほか、その教育目的の波及効果を図るため、本学が実施している主に県内の高校生向けの特別教育プログラムHiGEPSの受講生が参加し、その1日の活動を共有した。公的な施設の見学のほか、復興の一翼を担う企業にも協力を仰ぎ、今後も起こり得る甚大な災害の実情を見るとともに、被災した地域の社会が科学や技術の力を借りてどのように復興しつつあるかを体得しうる機会とした。
〇企画内容
-バス往路車内での事前学習: 「放射線基礎」
–JR富岡駅付近視察:建物やインフラ構造が津波によりすべて失われた地区で、当時の津波の高さを実感し、現在は少しずつ道路が整備され駅や建物などが再建されている現状の見学。
-原子力災害復興施設(富岡町)東京電力廃炉資料館: 福島第一発電所1~4号炉の各事故の詳細や、現在の現場整備や除染、処理水放出などの作業内容、今後計画されている廃炉作業の手順や用いる設備の建設や先端機器の開発状況などを見学。
-富岡町→南相馬市原町区関連地域見学と解説: 建設会社社長石川俊氏により、地震・原発事故による甚大な被害を受けた地点を巡り、当時の状況やその後の推移、現状と今後の計画について詳細な説明を受けた。
-東日本大震災・原子力災害伝承館: 動画や写真、被災資料などの展示を見学。
-浪江町地域の見学と解説: 震災遺構・浪江町立請戸小学校、被災し復興した港湾・請戸漁港、研究機関・福島水素エネルギー研究フィールドを見学。
-震災復興関連企業見学: ライスレジンを製造している(株)バイオマスレジン福島工場の見学・解説。製品や製造の過程などの説明と工場内部も工程に沿って機器や設備を見学した。
-被災地域(陸前浜街道)の見学: (浪江町、南相馬市小高区、南相馬市原町区)原子力発電所事故による帰宅困難区域、また(浪江町、南相馬市小高区)福島国際研究教育機構・研究機関、福島ロボットテストフィールドの見学と解説。
-発電施設(南相馬)などの見学: (株)南相馬サステナジー・万葉の里風力発電所、住友商事・太陽光発電所、鹿島区南海老蛭沼地域の防潮堤と海岸植林の見学・解説。
-バス往路車内での事前学習: 「放射線基礎」
–JR富岡駅付近視察:建物やインフラ構造が津波によりすべて失われた地区で、当時の津波の高さを実感し、現在は少しずつ道路が整備され駅や建物などが再建されている現状の見学。
-原子力災害復興施設(富岡町)東京電力廃炉資料館: 福島第一発電所1~4号炉の各事故の詳細や、現在の現場整備や除染、処理水放出などの作業内容、今後計画されている廃炉作業の手順や用いる設備の建設や先端機器の開発状況などを見学。
-富岡町→南相馬市原町区関連地域見学と解説: 建設会社社長石川俊氏により、地震・原発事故による甚大な被害を受けた地点を巡り、当時の状況やその後の推移、現状と今後の計画について詳細な説明を受けた。
-東日本大震災・原子力災害伝承館: 動画や写真、被災資料などの展示を見学。
-浪江町地域の見学と解説: 震災遺構・浪江町立請戸小学校、被災し復興した港湾・請戸漁港、研究機関・福島水素エネルギー研究フィールドを見学。
-震災復興関連企業見学: ライスレジンを製造している(株)バイオマスレジン福島工場の見学・解説。製品や製造の過程などの説明と工場内部も工程に沿って機器や設備を見学した。
-被災地域(陸前浜街道)の見学: (浪江町、南相馬市小高区、南相馬市原町区)原子力発電所事故による帰宅困難区域、また(浪江町、南相馬市小高区)福島国際研究教育機構・研究機関、福島ロボットテストフィールドの見学と解説。
-発電施設(南相馬)などの見学: (株)南相馬サステナジー・万葉の里風力発電所、住友商事・太陽光発電所、鹿島区南海老蛭沼地域の防潮堤と海岸植林の見学・解説。
〇効果
全体を通じて、参加者した学生・生徒は災害発生当時には児童でありほとんど記憶がないが、それゆえにこの研修においては福島県浜通りの現状について関心を持って見学し、解説を熱心に聞き、活発に質問する様子が見られた。特に、現地の復興にかかわる関係者に直接話が聞けた経験も含め、今後の勉学や自己研鑽にも大きい影響を与えるであろう。また、大学生と高校生が見学時にグループとして、また相互に話し合いながら研修したことは、双方にとってよい相互作用効果をもたらすものである。
全体を通じて、参加者した学生・生徒は災害発生当時には児童でありほとんど記憶がないが、それゆえにこの研修においては福島県浜通りの現状について関心を持って見学し、解説を熱心に聞き、活発に質問する様子が見られた。特に、現地の復興にかかわる関係者に直接話が聞けた経験も含め、今後の勉学や自己研鑽にも大きい影響を与えるであろう。また、大学生と高校生が見学時にグループとして、また相互に話し合いながら研修したことは、双方にとってよい相互作用効果をもたらすものである。
(注)この研修企画について、地元新聞社(福島民友新聞社 福島民報新聞社)から当日・現地取材を受け、その記事は3月12日に掲載されている。
2023年度 海外研修「中国・上海、復旦大学 上海交通大学 同済大学」2024.3.3-3.7
〇主旨
2024年3月3日から7日にかけ、HiSEP-Mirai海外研修 中国・上海市内3大学(復旦大学・上海交通大学・同済大学)を訪問・研修を行った。先方大学との事前打ち合わせに準じ「研究者による科学セミナー」「学生相互研究発表」「学生間交流会」を主軸におき、特に生物環境・応用化学分野と接点のある社会問題を踏まえて実施した。本研修は、2023年度三菱みらい育成財団支援による理学部「理工系人材に向けての文理融合教育」にかかわるものであり、海外大学等教育機関での当該教育の考え方とその学生の取り組み状況と効果について、上記企画の中で調査・研究し、本学理工系教育に波及させることを目的とした。
2024年3月3日から7日にかけ、HiSEP-Mirai海外研修 中国・上海市内3大学(復旦大学・上海交通大学・同済大学)を訪問・研修を行った。先方大学との事前打ち合わせに準じ「研究者による科学セミナー」「学生相互研究発表」「学生間交流会」を主軸におき、特に生物環境・応用化学分野と接点のある社会問題を踏まえて実施した。本研修は、2023年度三菱みらい育成財団支援による理学部「理工系人材に向けての文理融合教育」にかかわるものであり、海外大学等教育機関での当該教育の考え方とその学生の取り組み状況と効果について、上記企画の中で調査・研究し、本学理工系教育に波及させることを目的とした。
〇企画内容
–3 月 3 日 昼 成田発 同夜 上海着 (参加者:学生5名 引率教員3名)
–3 月 4 日 復旦大学での研修: キャンパス内見学、国家重点実験室見学、研究者セミナー(化学環境分野)、大学紹介(復旦・埼大)、学生研究発表会(化学分野 復旦 2 人)、研究者セミナー(物理分野)、学生研究発表会(物理分野 埼大 2 人)、学生間交流会(文理融合学部基礎教育について)
–3 月 5 日 上海交通大学での研修:研究・教育施設見学、研究者セミナー(化学・生物・環境分野)、学生研究発表会(生物分野 交大 2 人・埼大 2 人)、学生間交流会(文理融合学部基礎教育について)
–3 月 6 日 同済大学での研修:研究者セミナー(環境科学分野)、学生間交流会(文理融合学部基礎教育について)、国家重点実験室(Pollution Control and Resource Reuse)等見学、同済大学歴史館見学、同済大学博物館見学、キャンパス内見学
–3 月 3 日 昼 成田発 同夜 上海着 (参加者:学生5名 引率教員3名)
–3 月 4 日 復旦大学での研修: キャンパス内見学、国家重点実験室見学、研究者セミナー(化学環境分野)、大学紹介(復旦・埼大)、学生研究発表会(化学分野 復旦 2 人)、研究者セミナー(物理分野)、学生研究発表会(物理分野 埼大 2 人)、学生間交流会(文理融合学部基礎教育について)
–3 月 5 日 上海交通大学での研修:研究・教育施設見学、研究者セミナー(化学・生物・環境分野)、学生研究発表会(生物分野 交大 2 人・埼大 2 人)、学生間交流会(文理融合学部基礎教育について)
–3 月 6 日 同済大学での研修:研究者セミナー(環境科学分野)、学生間交流会(文理融合学部基礎教育について)、国家重点実験室(Pollution Control and Resource Reuse)等見学、同済大学歴史館見学、同済大学博物館見学、キャンパス内見学
〇見学先
① 復旦大学 ※江湾キャンパス
楊浦区に所在する国立大学である。1905 年に創設された「復旦公学」が前身。教育部と上海市との共同運営による支援を受けて、人文科学、社会科学、自然科学、技術科学、管理科学などを含む研究型総合大学に発展した。
② 上海交通大学 ※閔行キャンパス
1896 年創立の「南洋公学」を前身とする中国でも歴史の古い総合大学で、理工系に強みを持つ。1999 年には上海農学院と、2005 年には上海第二医科大学と統合し、総合大学としての規模をさらに拡大した。
③ 同済大学 ※四平路キャンパス
1907 年にドイツ人医師が上海に開設した「徳文医学堂」を前身とし、現在は理学、工学、医学、文学、法学などの学部を有する研究型総合大学へと発展した。土木工学分野では国内随一のレベルを誇る。3大学での交流会討論会での議論ポイントとして以下を設定した。
In addition to the knowledge and analytical skills learned through specialized education (mathematics, physics, chemistry, biology, etc.), we intentionally combine knowledge from the social sciences (ethics, philosophy, religion, history, law, economics, etc.). We provide educational opportunities to deepen and cultivate the way of thinking (logical thinking) that will lead to correct answers to future social problems. We also look at the ongoing “modern problems”, ask ourselves questions and propose solutions that go beyond scientific perspectives, and further establish an educational process that deepens from a multifaceted perspective. Shortly said as a R&D on Arts and Sciences fusion education for the undergraduate students in science faculty…
① 復旦大学 ※江湾キャンパス
楊浦区に所在する国立大学である。1905 年に創設された「復旦公学」が前身。教育部と上海市との共同運営による支援を受けて、人文科学、社会科学、自然科学、技術科学、管理科学などを含む研究型総合大学に発展した。
② 上海交通大学 ※閔行キャンパス
1896 年創立の「南洋公学」を前身とする中国でも歴史の古い総合大学で、理工系に強みを持つ。1999 年には上海農学院と、2005 年には上海第二医科大学と統合し、総合大学としての規模をさらに拡大した。
③ 同済大学 ※四平路キャンパス
1907 年にドイツ人医師が上海に開設した「徳文医学堂」を前身とし、現在は理学、工学、医学、文学、法学などの学部を有する研究型総合大学へと発展した。土木工学分野では国内随一のレベルを誇る。3大学での交流会討論会での議論ポイントとして以下を設定した。
In addition to the knowledge and analytical skills learned through specialized education (mathematics, physics, chemistry, biology, etc.), we intentionally combine knowledge from the social sciences (ethics, philosophy, religion, history, law, economics, etc.). We provide educational opportunities to deepen and cultivate the way of thinking (logical thinking) that will lead to correct answers to future social problems. We also look at the ongoing “modern problems”, ask ourselves questions and propose solutions that go beyond scientific perspectives, and further establish an educational process that deepens from a multifaceted perspective. Shortly said as a R&D on Arts and Sciences fusion education for the undergraduate students in science faculty…
一つの同じ課題(社会問題)を違う角度から意見を出し合い、新しいアイデアが生まれる、つまり様々な価値観の衝突の中からボーダーを越えて有意義なアイデアを生み出すことができるのか。文系にも理系の論理的思考は必要か?反対に、理系に文系で必要な力は必要ではないか?グローバルに見ても(アジアにおいて)大学教育の中に文理の分断は存在し、それぞれの実質的な連携教育は存在するのか?